その昔、大学受験の勉強をしていた頃でした。
ある数学の参考書にこう書いてありました。
「数学において、理解するのも難しくない。覚えるのも難しくない。一番難しいのは続けること。」
これは本当にそのとおりで、受験勉強から数十年経ちましたが今でも覚えています。
いかに習慣化するかがポイント
正直なところ、学生時代に勉強しなかったり基礎が出来ていなかったりした場合は社会人になって取り返すのは至難です。
何故なら完全に勉強が嫌いになっているからです。
学校の勉強が学習そのものを忌避させるような内容であるのは勿論のことですが机に向かうことにすら抵抗感が出るようになっているはずです。
一般的なビルメンが学生時代にやっていたこと…部活をやっているような活発な人もいるかも知れませんが、帰宅部で家に帰って寝るまでプラプラしていたのではないでしょうか。
そういう人が社会人になって思い立って
「勉強するぞ!試験に通って自分の価値を高めてやるぞ。」
とやっても、まあ続きません。
3日坊主というのは無いと思います。大人ですから自分をある程度はコントロール出来ますし数日で止めるのは流石に抵抗があるからです。
しかも最初から高めのハードルにしてしまいます。仕事が終わって毎日2時間…とか。
経験則ではありますし、データがあるわけではないですが…もって2ヶ月、早ければ1ヶ月弱くらいでいつの間にか勉強しなくなります。
これは習慣化されていないことを無理やり自分に強いて失敗する典型例です。
意思が強いとか弱いとかでなくて、習慣化されていないので続けられないのです。
これを数回繰り返すと、「どうせまた続かないんだ…。」と自己嫌悪に陥ってどんどん学習意欲が無くなります。
失敗の原因は、ハードルを高く設定しすぎたことです。
「一番難しいのは続けること。」
学習の真理です。
まずは習慣化してみる
学習を習慣化するにはどうすれば良いのか。
さきほどの失敗例から考えてみますと、
・ハードルを低くする。
・低くした上で徐々に習慣化する。
の2点が重要ではないでしょうか。
最初に気合を入れて長い時間学習することは『絶対に』やらないようにします。
最初は5分にしましょう。
そのかわり毎日5分です。
調子が良いともう少しやろうかな、という気になります。
もしやれなかった場合でも、一日5分の学習ですからすぐに追いつきます。
やらなくても罪悪感や挫折感が湧きにくいようにするのです。
なにせ5分ですからやらないほうが難しいです。
しかし、本当にやる気がない場合は5分であろうとやりません。
5分だと…電験3種なら問題文を読むだけになってしまうかもしれません。
最初はそれでいいです。目標は試験合格であってもそれは一旦意識しないようにします。
難関資格であるなら達成されるであろう時期は当然数年後です。
ここではそんな遠い未来のことはわざと忘れます。今は続けることを目標にします。
目指している資格ですから、当然5分では短いなと感じます。問題文を読むだけで終わるのは勿体無いな、と。
そうすると、今度は選択肢をチラ見します。
それをやると10分くらいになりますか。最近は問題文が長いので気がつくと15分くらい経っているかもしれません。
でも、問題文を理解する必要もありませんし問題を解こうなどとは絶対にしないようにします。時期尚早です。
当初は続けるだけを意識します。素振りのようなものです。ある程度自分を型にハメて、習慣づけることだけを行います。
この方法で、どれくらい続ければいいのでしょうか。
もし学生時代に殆ど勉強されたことがない方であれば1年くらいはこの方法で良いかと思います。
目指している資格や分野があるなら毎日5分の勉強で、まずは達成感を積み重ねて
「自分は続けられた。やっている。やれている。」
という意識をインプットすることで少しずつ自分に習慣を刷り込むことができます。
おそらくですが半年くらい経てば自然と30分ほどやれているはずです。
まずは、嫌にならないように行うことが大切ではないでしょうか。
くれぐれも成功体験は「続けられている」ということです。
問題が解けない、内容が覚えられないなどとは決して考えないようにしてください。
それじゃ意味がない、と思われる方も多いでしょう。
しかし一番マズいのは
[続けられない→自己嫌悪→次に学習を思い立った場合に「やれなかった」感が体に染み付いてしまう]
このコンビネーションでしょう。
これを数回繰り返すと真面目な人ほど勉強に挑戦しづらくなります。
習慣化のみ意識してやること、時間を極端に短くすることで達成感と成功体験を持つこと、そのうち分かるようになるという楽観的な気持ちで臨むことによりストレスを溜めないこと。
どうせ一生勉強しなければならない
社会人は本当に学習しません。
会社で周りの方を見ていても家のことで忙しかったり、仕事そのものに忙殺されていたり、そもそも勉強に興味がなかったり…。
ですのでちょっと努力をすると割と出し抜くことができます。
ビルメンであろうとなかろうと、他の業種でもどうせ一生勉強しなければならないのは間違いありません。
ならば自分の学習の敷居を下げて、続けられるようにすることをまずは第一目標に掲げるのが遠いようで一番の近道です。
やっているうちに、朝30分早く起きて公式のチェックなどを行うようになります。
電験であればちょっと理論の問題を解こうかな、とか機械の問題がどうだったかなとか少しずつ意識が変わってきます。そうなればしめたものです。
当然無理は禁物です。乗らないときは止めてもよいでしょう。
そしてまた始めるときは5分から始めるようにすれば良いのです。
絶対に頑張らないが、続けるのは続ける。
これを意識して数年続けられるだけでも会社に必要な人材になっているのは間違いありません。何より自信がつきます。
是非「毎日5分」をやってみてください。
まずは0.1歩ずつでも進んで行きましょう。
コメント
真髄を突いた記事です。
いつも資格試験が不合格になると、一応原因は考えてみるのですが、「今回は難しかったから」とか「あんまり勉強しなかったしなあ」と浅く考えるだけで、本格的な反省をしたことがありませんでした。
継続こそ大事なのですね。
「科目Aは1ヶ月前からでいいか。科目Bは一回やったことあるし適当にしよう・・・」などといつも適当にやってるので、数年かかることがザラです。(^^;
考えてみると簡単な事ですが、気づきませんでした。
給料が転勤で激落ちしたので、何か資格を取って給料アップしたいところです。
>左辺さん
コメントありがとうございます^^
歯磨きをするように、顔を洗うように習慣化できれば大抵の試験は乗り越えられるではないかなと考えています。
難関大学に合格するような子供は小さい頃からリビングで談笑しながら勉強していたりするようです。
思考したり記憶したりすることが苦でないというのはあらゆる場面において大切ですし、早めに身に着けて置きたかったです(´Д⊂ヽ
正に継続は力なりです。
学生時代の同期は成績はパッとしませんでしたが卒業後の長年の学習の継続が実り技術士電気電子部門に合格し、今や某企業の技術副部長です。
我が身を顧みると奮起しなければと思います。
一瞬、Fw190D-9さんが技術士合格かと思いました。
私が中学時代の時ですから今から相当昔のテレビ番組で親の影響を最も受ける科目は体育で最もというか全く影響を受けない科目が数学だと紹介していました。
それは真実ですね。私の姉は凄い努力家でその甲斐もあり中学時代は学年トップでした。それに対して私は数学は出来なかったですね。電験三種の勉強を始めた時もまずは数学から始めましたから・・・・(以前に書きましたよね)ですけど、そんな私が電験を受かったのですから大概の人は受かりますよ。
技術士は必置資格ではないのでそういった意味でも技術士に挑戦するモチベーションが今までありませんでした。
ビルメンは資格に拘りすぎの気がします。資格だけあって実務ができない人の何と多いことか。
私が以前に経験してきた企業では資格はスタートラインに立つだけの文字通りの「資格」でそこから先は管理能力ですとか企画力ですとか統率力や実行力がないと中々ポジションが上がりません。ビルメンは資格取得がゴールになってしまっています。このため、有資格者でも実務ができないし実務に無関心になりがちですね。この点を改めようとしているのですが…(資格があって実務もできる人材の育成)
然し、そうなるとより良い待遇を求めて転職してしまうのでしょう。
今の職場のある班長の言葉が耳に残っています。
「私は技術的なことは出来ません。出来たらこの会社に居ません。」
この言葉がこの業界を端的に表しているのかなと思います。
自分は電験三種に受かったときが一番生きてて嬉しかったですね。
二年半ビルメンで下積みしながら職場でも家でも自習してた努力が報われた瞬間。
マツコ有吉の番組で京大卒のADにいつがピークか聞いたとき、やはり京大合格発表の
瞬間だったといってたのと一緒にするほど大したものではありませんが、
それでも自分は底辺高卒なので電験がピークだったのでしょうね。
電験のおかげで得た仕事で結婚し子供もでき人生の一通りは体験はしましたが
嫁や子供に悪いけど、電験合格の感動や達成感には遠く及ばない。
あれだけの努力も落ちたら水の泡と消え、もはや年齢的にも一生ビルメンから
転職すらできず、40,50歳になってもカップラーメンすする人生がほぼ確定する。
まあ30代中盤まで実家でゲームばかりやってた人間がなんとか少しは巻き返せたのが
奇跡なわけですが。