平成28年度電験3種試験の傾向とその対策

理論の傾向を落ち着いて考えてみる

 お疲れ様記事は書きましたがちょっと落ち着いたので傾向をば。

とにかく過去問だけでは対応不能になっています。高校か大学の電気科を出て電気の素養があって初めて対応が可能になる試験のレベルです。

どの参考書を使えばとか過去問は何年分やればよいとか全く関係ありません。学校の授業で電気を勉強し、実験も行い、計測器も実際に使った人でないとサッと答えは出てきません。

わたしも問1を見た時に結構面喰らいました。とりあえず飛ばして見ましたが電位がゼロになるという問題は平成22年の過去問にあったので何とか正解を出せました。

全体的に公式が分かっていれば解ける単純な問題は影を潜めて、「ではその公式の根拠はどうなってるんですか?」「実際にはどういう風に使いますか?」と試験委員が聞きたそうな問題が過半でした。過半以上ですね。全体の8割がそんな問題。

ですから、もはや電気科を出ていないと一発合格は難しいと思います。数年掛ければ、簡単な年度もありますので運が良ければ受かるかもしれません。

しかし難度が高い年度は数年続く傾向(22年度、23年度、24年度)があって易化の年度も続く(25年度、26年度、27年度)も同じですので数年はこの難度かと思われます。

ではどうしたらいいのか…学校編

 働きながらの個人での合格はかなり難しいです。それでも完全マスターを本当に完全にマスターすれば合格点は取れるかなあ…というレベルのようです。

初見で解ける問題が少ないんですね。その場で考えさせられますので思考力が問われます。試験官が聞きたい所がかなり変わってきているので仕方ないですね。

もしお金と時間がある方なら、夜間でもいいので電気の学校に行くのをオススメします。電気の学校は流石に設備が違いますし、曖昧な知識をそのままにして置くことはないので合格までの道を確立したいなら学校が最高の環境です。

夜間だと年間50万ほど掛かると思いますが専門学校だと2年です。その2年の間に試験で合格してしまうのです。それが一番です。

また専門学校だと短大卒扱いになりますし、電験2種の認定校だったりしますので2年で100万は良い投資だと思います。電気は絶対になくなりませんし、電験も日本国がある間は有効です。

一生食いっぱぐれがない資格というのはなかなかありませんので…電気の仕事ってそんなに給与は高くないだろとか言われるかもしれませんが今は普通に食べていくというのが一番難しい時代です。

この環境がより酷くなることはあっても良くなることは決してありません。年を取って公的免許もなく、3Kの仕事をしたくない方はまずはお金出しても電験を取りましょう。

ではどうしたらいいのか… 働きながら編

 学校に行くようなお金がない、そもそもそんな年齢でもない、という方、働きながらだと確かに難しいです。

一番難しいのは勉強ではないですね。そうです、モチベの維持が一番難しいのです。数年受からずスパイラーなどと揶揄され、それでも試験を受け続け、会社の同僚からはまだ受けてるのかよなどと言われ…。

途中で辞めたくなるのは当然です。他に楽しい趣味は沢山ありますからね。何も電験だけが人生ではないですから。

ただ、電験を持っていると全然扱いが違うのは間違いはないです。給与が安くても履歴書を出した段階で肘鉄を喰らうなどということはないですし、経験があればまず話は聞いてもらえます。

ですからリストラされても大丈夫なように、自分のプライド維持のために、もう1年だけ…という感じで受け続けるのが良いと思います。

何時までに受かれ、とは誰も言いませんから。自分がどうするかだけです。

実は今年度の機械の試験はここ数年で一番簡単だったようです。通常55点で合格の難しい科目なのですが今年に限っては60点合格になるかもしれないなどと言われています。

電験の試験の最大の関門である機械の試験が簡単な年、というのは15年に一度くらいしか来ません。でも受け続けていたらチャンスはあったのです。

なにより数年受けていたら、いくら難関の機械科目でも傾向が見えてきます。得意分野も出来ます。多少難度の高い年度でも受かるかもしれません。

お金がなく時間もなくとも「やり続ければ」何とかなります。他に何か展望がある方はともかく、普通科を出た、大学もツブシの効かない学科を出た方は電験の試験を受け続ける事をライフワークにしてやるのが精神安定的にいいと思います。

まとめ:モチベの維持の仕方

 わたしの場合のモチベ維持の仕方は、年取って仕事を選べるかもしれないの一点だけでした。この一点だけ。

全然全く職業差別という訳ではないですよ。そもそもわたしはビルメンなのでもともと最下層です。清掃警備設備の、設備マンです。

ですが公的資格がないとなると全く仕事が選べないのです。ビルメン会社にも酷い会社がいっぱいあります。その中にはブラックじゃないかと思うところも多いです。

底辺の中でも仕事先は選びたい、会社に選ばれる側になっていると色々辛いじゃないですか。特に年を取っての汚くてキツくて辛い仕事は。

職業差別ではなくて、職業区別ですね。その仕事しか選べない。だからやっている。でもここは東南アジアではないので公的資格さえあれば一発逆転なんて大それた事は無理でも多少なりとも仕事を選べるのです。

時に公的資格は学歴に勝ったりします。免許によっては会社に居てもらわないと会社が維持出来ない場合もありますからね。

人脈もない、学歴もない、何か特殊な技術を持っている訳ではないというのでは最後に行き着く先はあまり明るくないと思います。

暑い時に暑い場所で、寒い時に寒い場所で働くのは辛いですよ。そういう思いをしたくないという気持ちをモチベーションにしましょう。絶対に電験の勉強を続けられます。

わたしも今年落ちるかもしれません。落ちても来年も受けます。だって他に道がありませんから。

みなさんも是非やりましょう。無くならない技術、電気。その免状を手に入れましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 田舎ビルメン より:

    電験三種受験お疲れ様でした。
    私は50代の半ばになろうか、という地方独立ビルメンです。
    理論はchihiroさん自身が書いておられる難解年度の24年度に合格し、平成25年に免状取得しましたが、大変失礼ながら本年の理論問題が特段に難しい、とは思いませんでした。ここ10年間レベルです。
    理論はズバリ過去問メインで大丈夫です。要は「なんでこの公式を使ってこのような解法を・・・」の探究心が大事なだけです。
    私の推奨は数学力が弱いのなら(私がそうです)、二つの過去問集(オーム社と電気書院)を買い、実教出版社のHPとで解法の違いを習得する位の気概を持てば三種なら過去問中心で合格できます。
    理論もそうでしたし、最後に残った機械(25年合格)も試験が終了した時に合格を確信しました。chihiroさんも取得できるまで頑張って頂きたいですね。
    と、いうか自己採点では合格は無理なんですか?
    「地方独立」と書きましたが、実際は田舎の中の田舎のビルメンです。この業界で300万の年収なら勝ち組になるほどの地域で400万弱の年収で日勤のみの日曜休みで残業ほとんどなしでやれているのは電験三種とビル管のおかげです。
    また、地方でも自家用工作物の物件があり電験持ちは大変不足しています。保安協会ですら常に求人を出している状態です。
    目標のキュービクル点検者へ向って頑張ってください。応援しています。
    (上から目線ですいません)

    • chihiro より:

      コメントありがとうございます。
      上からなんてとんでもない。アドバイス痛み入ります。

      落ち着いてよく見てみると完全に難しいと感じるのはB問題の問15(b)くらいですね。
      あとは確かに試験中の慌てたメンタルで無ければ答えられますが…わたしは基礎がやっぱり出来てないのだと痛感しました。

      電気の勉強は結構楽しくやれるのでもし落ちてもまた来年も受けたいと言うのは本当です。
      点数は…やっぱりマークミスが怖いので「受かった」とは言いがたいですw
      それだけ緊張していて、見直す時間もありませんでした。
      あとは10月21日まで祈るのみです。

      落ちても受かってもこのブログを引き続きよろしくお願いします。