ビルメンをやっていていざ辞めるときに
実務経験証明書に印鑑が貰えないと言ってる人が
某SNSに居て
俺は
「ビルメンだとなかなか貰えないよなー」
などと考えていた。
前も書いたかもだが
何せビルメンだとたいていの場合は委託であって
建物のオーナー、電気設備の持ち主はお客さんである。
したがってお客さんである相手の会社の社長さんの印鑑が必要で
これがなかなか難しいことはすぐに分かるだろう。
お客さんからしたら
「なんで委託してるビルメン会社の社員のために社長の印鑑を押さなきゃいけないの?」
となる。
どこの馬の骨とも知らんやつの
訳の分からん書類に
代表取締役の印を押す義理が全くない。
ビルメン会社としてもお客さんにそんな相談はして欲しくないので
「印鑑?知らね。」で終わりである。
ちょっと考えれば分かることだが
人はメリットがないのに動きたくないものだ。
関係が壊れる可能性があるなら猶更だ。
では、委託先が公共なら…?
市や県、国の建物なら印鑑を貰うのは簡単なのだろうか?
答えはイエスでありノーだ。
相手は公務員だ。書類が命。印鑑は押してくれるだろう。
しかし公共の建物の管理者は
「長」である。
したがって市長であり、県知事であり
国に至っては大臣である(国の場合は少し下の人がやっている場合もある)。
一気にハードルが上がった感じがしませんか?
それでも言えば…官庁側は押してくれる可能性はあるけど
委託されてるビルメン会社、すなわち
あなたが働いている会社が嫌がる場合も多い。
官庁側に「あんたの会社の変なやつから印鑑押してくれと言われた」と思われるのを嫌がるのだ。
なにせ入札で現場を貰ってるので、次の入札に参加するときに悪印象は持たれたくない。
だから印鑑を頼むのを止めろ、と
あなたが働いている会社に言われれば詰みである。
あなたが「うるせー、そんなの関係ないから官庁に出してやる」と言っても駄目で
何故なら働いていた証明書なので所属している会社、
ビルメン会社社長の印鑑も要るのである。
はい無理。
以上これらの障害を避けるには
直接雇用のビルメンなら社長の印鑑だけでいいので
ハードルは一気に下がる。
下がるが、直接雇用の場合は勤め始めてすぐ辞めたいなんてことは難しいだろう。
2,3年くらいでは無理じゃないか?
5,6年くらいで信用に能う人間になれるかどうかが焦点だが
普段から信用を積み重ねていても「辞めるから印鑑下さい」だと
相手がどうでるかは分からない。
ここまで読んでビルメンは駄目だなと思って
じゃあ保安の仕事を最初からすればいいんだと考える人も多いだろう。
一番良いのは保安協会に勤めることだが
年齢がいっていると雇用して貰えるか分からない。
今は2年くらいでも経験があれば(その証明ができれば)
即戦力として扱ってくれるので雇って貰えるかもしれない。
だがビルメン会社出身で、前述のような理由で未経験扱いなら
かなり厳しいだろう。
未経験でも地方の小さな保安法人なら…いい加減な会社が多いので気を付けて欲しい。
特に家族経営なら書類など滅茶苦茶な場合が多く経験の証明など不可能だったりする。
以上、ビルメンから転職して管理技術者として働く前の
ハードルの高さでした。
一応、経産省から印鑑を押してあげてね、という通達ぽいのは出ているが
強制力はないので意味が無いんだよね。
罰則のある通達なんて出せないし。
結構、人治なんだよね。その辺は。
働く前に調べても、印鑑貰う時に状況変わってたりしたら詰んだりするし。
本当に人生は運だな。
ゴッドブレスユー。
あなたの幸運を祈ります。
コメント
ビル万さま
お疲れ様です。
管理技術者は今はなんとか都会ならスローライフは送れますが、じゃぶじゃぶ人が増えてますので今後どうなるんでしょうか…ね…。
ビル万さまのコメントで思いましたが
この仕事は普段人に会わないのでどんどん厭世的、仙人になっていきますね。
私ものんびりやっていますが5年、10年後先があるとも思わないので
ビル万様のように勉強して次の準備を私も頑張ってます。
今は人になるべく会わず一応食べられているのでなった意味は多少あったと言えますが…
>管技マンさん
電験2種持たれているのであれば大丈夫ですよ。
太陽光が叩かれてますが反対派は市井のごく一般の人たちだからひっくり返すことは不可能。
あと20年は太陽光で食えます。
管技も数は増えていますが誠実に仕事が出来る人たちがどれだけいるのか…。
事故ばっかり起こしているインチキ保安法人は敵ではないですから
こちらも我々の寿命くらいまでは飯が食えなくなるってことは無いでしょう。
私は改修の経験をもっと積みたいです。
絶耐も2回くらい先輩がやっているのを見ただけなので
自分でもやりたいのですが機会が欲しい所です。