何故資格を取らなければいけないのか

「資格なんかなくても」という人は結構多いですね。

特に結構年齢がいっている人から「あんな資格持っていてもしょうがない」というのを聞きます。

完全に酸っぱいぶどうだなと感じますが改めて公的な資格、国家資格などを何故取得する必要があるのか考えてみたいと思います。

学歴も人脈もそれほどの技能もない…

私もそうですし、このブログを見てくださっている方は新卒カードを切りそこねた人が多いのではないでしょうか?

日本では新卒カードを切りそこねた場合、よほどの事がない限りは同年代との間のキャリア差は回復不能になります。

地方ですと学歴なし、人脈なし、手に職なしの人は手取り15万円の仕事を一生やり続けることになるでしょう。

別に手取り15万円でもいいのかもしれません。ただ、そういう仕事はやはり人が居着かないような内容の場合がほとんどです。

典型的な3K仕事で、家族経営で従業員は使い捨てにするような会社ではないでしょうか。

当然ある日突然「やってられるか!」と辞めることになります。

で、辞めたあとは…何のバックボーンもない中年or老年が寒空に放り出されるだけです。

でもあんな15万円の仕事には戻りたくない…けれど求人情報を目を皿にして見つかるのは似たような3K家族経営低賃金の会社ばかりです。

そしてそのときに少しだけお金の良い会社があるとき、求人票には「○○資格必須」の文字が踊るのです。

もちろん資格があっても採用には至らないかもしれませんが資格が無い場合はスタート地点にすら立てません。詰みです。

手取り15万円のキツイ汚い危険な仕事を一生やり続けるしかありません。

もちろん何の資格でも取れば良いというわけでなく企業が欲しがる資格を優先的に取得していく必要がありますが…。

履歴書を送ってこられる会社の気持ちになって考える

採用される側の話をしました。今度は採用する側の話です。

求人を出した会社があって、中途にしてはまあまあの内容だったとします。

履歴書が50枚ほど送られてきました。

50枚もある履歴書、採用担当者は志望動機などほとんど見ません。

就業の経歴と持っている免許欄だけ見ます。

そもそも新卒ではないので「御社で是非働きたく…」なんて嘘っぽいだけです。

それと、中途採用する側は教育するお金も時間もありません。求めるのはほぼ即戦力です。

したがって「何が出来るか」が重要になります。

経歴が何が出来るかを担保しますし、資格欄も…特に設備管理系では資格欄しか見ていないでしょうね。

あまり良い資格を持っていない場合は例の

「あなたの今後のご活躍をお祈りいたします。」

という悲しい手紙を貰うことになります。

資格なんて…と言う前に

当然、異論はたくさんあると思います。

「そうは言っても人柄が大事だ」「俺は(私は)一所懸命にやってきた」など情に訴えかけるものでしょうか。

それは、採用される側が考えることではありません。履歴書と面接では分からないからです。

情?で採用されたとしても手取り15万円3K職場でしょう。そのレベルの会社は採用するなら誰でも良いのです。使い捨てにするつもりですから。

採用される側が考えるのは、ひたすら武器を増やすことです。

ゲームなどでも初期装備で最終戦に行くことは(そういうプレイが好きな人も居ますが)ないでしょう。

少しでも強い武器でサクサク進んでいくのが良いですね。そしてこの話はゲームではなく現実なので有用な武器である資格がないと悲惨さは極まるばかりです。

ネットで検索して「この資格はいいよ」と書いてあったとします。

そこで

「なんだ資格なんて取ってもさ…。」

と斜に構えるか

「この資格は良さそうだけども、どれくらい難しいんだろう。自分にも取れるかな?」

と考えられるかによって人生の難易度が変わってくるでしょう。

冒頭に書いてあるような「資格なんておじさん」にあなたが出会った場合、顔を見たらいいです。

如何にも15万円おじさんというか、余裕の無い顔をしていることでしょう。言ったあとに同意を求めてキョロキョロしているかもしれません。

繰り返し言って辛辣かもしれませんが、会社が何の関係もない人を雇う場合は人柄やる気なんて二の次三の次です。

「人柄が良さそうだね」なんて採用してくれる会社は高校生のバイトくらいの賃金で人を使い捨てにするような会社です。

もし採用面接で賃金の話をしたら鬼の形相で「お金じゃないでしょ!やりがいでしょ!」なんて言ってきそうですね。

お互い旧知でもない使用者と雇用者の間にあるのはお金だけです。この辺はドライでいいですし、賃金に納得して入社しないと長く続くこともありません。

何もない中年老年がある程度以上の会社に履歴書を見てもらうために必要なのが資格なのです。

一生15万円で働くしかないかどうかは資格で決まります。

思い立ったが吉日。是非有用な資格を取得されてください。

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コメント

  1. hayabusa より:

    ビル万さんは、自分がその時期その時期に考えている事を
    記事にする事が多いから正直ドキッとします。
    ビル万さんの書いてる様に、
    面接前は志望動機の欄なんて全くみませんね。
    それを分かってて各社に最低限の志望動機編集をして、
    面接に行ってました。
    以前相談した会社に入りましたが、
    70過ぎの元気なおじさん(といっても未だに事業所長に近いクラス)は自分が最初に居た会社の隣の会社に居たようで、電験2種(3種2種共に認定)・エネ管・高圧ガス(乙種機械)・危険物乙4等保有してて、資格保有数・技術力・知識・作業の腕・性格が今までの直属の上司で総合力No.1といって過言では無いですね。
    その方に「勉強がんばれよ、電験(3種)。勉強頑張れとか孫にも言った事ねぇよ…」etc等言われ、取得しないとなあ…と思う次第です。
    自分が最初の会社(工場)に居た時は、これでも資格保有数は多い方でしたが、
    まだまだ頑張って勉強して取らなきゃ又でかい工場で電気計装プラントエンジニアを
    やれる可能性も見えづらくなってしまいますから…。
    又、自分がまだ全然電気計装プラントエンジニアとして実力が足りないと改めて感じてます。
    とか書いてるけど、まったく畑違いのFP3級を近々受験するという…。
    後は簿記3級もさっさと取ろうと検討してます。
    電気や設備関連だけの資格勉強だけだと、時期に憂鬱になるのと、事務や投資関係(株だけを数年前からやってる)も知って人生を豊かにし、仕事にも繋げたいな、と思い畑違いの資格を受けるのもやってみる事にしてみました。

    • biruman より:

      >hayabusaさん
      良い会社に転職されたのですね。おめでとうございます。
      結局、会社なんて人間関係なので周囲の方が信頼できるとそれだけでモチベなど色々UPですね。
      hayabusaさんが言われる通り、入社してからも資格の取得はしていく必要があります。
      仕事をしながらですと難しいですが…。

      志望動機の件は、意外と「いや、志望動機は大事だ」と言われる方が多いんです。
      志望動機が意味を成すのは採用してくれるならどこでもいいという場合だけですね。
      「残業代は要りません」「休日出勤もドンドンやります」「給与よりやりがいです」
      なんて志望動機に書けば採用間違いなしです(笑)

  2. 裏ブブカ より:

    こんにちは。
    私は以前中部地方にある、とある田舎のホテルでビルメンをしていたのですが、現場もそこにいる人間達も残念ながら完全なハズレ現場でした。
    3年程前でしょうか、このブログを見つけ、どこかの記事で書かれていた電験かビル管があればある程度の都会でなら仕事はありますというのを参考にさせていただき、ビル管を取得しハズレ現場からトンズラして転職活動したら1社目で採用。現在は大阪のオフィスビル勤務ですが、待機時間中に資格の勉強が出来るような環境で今現在は電験3種を目指しています。ビルメンは資格ですね、間違いないです。ビル管があるだけでも私が30代といのもあるかもしませんが、転職のハードルはガッツリ下がった気がします。今は当たり現場なので当分転職する事はないとは思いますが、この先何があるか分からないので、資格だけは取り続けるつもりです。
    最後にビル万さんには感謝です。このブログは資格に対する考え方や、転職をするのにとても参考にさせて頂きました。ありがとうございました。

  3. 裏ブブカ より:

    こんにちは。
    私は以前中部地方のとある田舎のホテルで勤務していましたが、現場もそこにいる人間も残念ながらハズレ現場でした。

    3年程前でしょうか、このブログを見つけ、いつかの記事で電験かビル管が有ればある程度の都会でなら仕事はあります。というのを参考にしてビル管を取得し、5年程勤めたハズレ現場からトンズラして転職活動→1社目で採用。現在は地元の大阪のオフィスビルで待機時間中に資格の勉強が出来る環境で、今は電験3種の取得を目指しています。
    ビルメンは資格です、間違いないですね。私が30代というのもあるかもしれませんが、ビル管があるだけでも転職のハードルはガッツリ下がったと思います。今は当たり現場なので当分転職する事はないでしょうが、この先何があるかは分からないので、資格だけは取り続けます。

    最後にビル万さんにはとても感謝しています。このブログで資格への意識や転職の事など、とても参考にさせて頂きました。またROM専に戻りますが、このブログがいつまでも続く事を願っています。ありがとうございました。

    • biruman より:

      >裏ブブカさん
      コメントありがとうございます。
      2件コメント頂いたのはたぶん「書き込んだのに無いぞ?」となられたのではないかと思います。
      コメントは承認制で承認するまでお時間頂くこともありますので、申し訳ないです。

      ホテルはかなりの激務現場だったと思いますがそのなかでも発奮して資格を取得されたこと、素晴らしいと思います。
      資格を取得して転職活動をすると待遇面は資格のみで決まることが体感できますよね。
      裏ブブカさんなら電験も必ず取得されること確信しています。

      感謝のお言葉、ありがたく頂戴致します。
      ブログは月1更新になって結構経ちますが読んでいただけるだけで有り難いです。
      これからも宜しくお願い致します。

      • 裏ブブカ より:

        すいません。仰る通り あれ?送信できなかったかな?でもう一度書き直して送信しちゃいました。お手数お掛けして申し訳ありません。

  4. 非正規雇用 より:

    こんにちは。
    新卒で就活に失敗し、気づいたら来年で30歳になります。
    年齢的に厳しいと思いますが、会計や経理の仕事に
    就くべく、簿記や税理士の一部の科目の勉強をしようとようやく思いました。

    • biruman より:

      >非正規雇用さん
      30歳ならまだまだやり直しが効きますよ。
      その時期に何もしていないと40代で詰んでしまいます。

      税理士の資格は簿財取ったあと停滞しがちですが
      科目合格が一生有効なのがいいですね。

  5. 田舎ビルメン より:

    ブログ主であるbirumanさんの書いておられる通りです。
    動機・・・・そんなものどうでもいいです。
    人柄・・・・最低限の社会人としてのマナー、常識があれば十分です。
    資格・・・・あればいいです。なくても大丈夫です。なぜならそんな給料しか出せませんし、そんな仕事しかさせません。そして変なおっさんがいる上にとんでもない現場に行ってもらいます。

    なんです。前のトピックがモンスターでしたが、資格十分のモンスターは若干いますが、それを駆逐できる術も実は資格なんです。私は設備系の応募は全部目を通しますがやはり経歴(どんな仕事をしてきたか)と資格(経歴との関係)を一番最初に見ます。志望動機なんて書いてあるかどうかの確認だけですし、年齢もあまり重要視しません。
    資格がない上にこれといった取柄もなくいるだけで害悪のモンスターは「清掃が人手が足りないんで清掃に移ってもらいます」と会社に言わせて駆逐します。しかし、電験持ちでビル管選任のモンスターは厄介です、という具合なんです。
    資格は持っているだけで自分がたとえモンスターになっても身を護るものです。
    当然、転職の最高の武器になります。特にビル管はこの業界特有の問題があってキセキに入ってしまった人の名義を使っている場合すらありますので。

    • biruman より:

      >田舎ビルメンさん
      第2新卒くらいまでならまだ志望動機も見てもらえるかもしれませんが
      30代後半からは人間が固まってますし、短い面接時間だけ猫かぶる人も居ますので
      やはりどのような道程で歳を重ねてきたのかというのが重要だと思います。

      考えたのですが正社員をすぐクビに出来るようにしたほうが
      世の中のお金が回るのではないかと。
      今のように何もしない出来ない人間を「正社員だから」と守るのは本末転倒です。
      正社員が守られないようになると不都合が出るのは派遣会社くらいですが
      派遣会社に行っているお金が社員に回るようになるので長い目で見ると給与は上がるのではないでしょうか。
      とにかく怪物はすぐクビに出来るようにして欲しいですね。

      • 田舎ビルメン より:

        >biruman さん
        違う業種・業態ならいざ知らずビルメン設備でクビを切りたい、と思わせるなんて余程の“モンスター”なんですよね。しかもモンスターって実は大した資格を持っていない場合が多い、というのが私の経験値です。

        >とにかく怪物はすぐクビに出来るようにして欲しいですね。
        大賛成です。私のメイン現場にこの秋までいたモンスターは違う現場に移りましたが1週間もしないうちに他の現場員から「あんな奴いらん」と言われています。
        来年の春をメドに違う現場のボイラー室に押し込んでやる算段をしているところです。
        ちなみにそのモンスターは正社員から嘱託に格下げになっています。
        でも、簡単にクビにはできないようです。ですが場変は簡単に出来ます。

        • biruman より:

          >田舎ビルメンさん
          会社が処分について粛々とやってくれればいいのですが
          営業担当者が中途半端にコンプライアンスだの裁判だのを恐れていて
          全く動いてくれない場合もありますので…それこそ配置換えひとつ取っても
          「それは裁判で負けるんじゃないか」とキョドキョドしていたりするとこちらとしても処置なしです。
          責任を取りたくないのであれば担当から降りてほしいと思うのですが陣中に人なしと言いますか
          上から下まで誰がやっても同じような腰が引けた対応になるので諦めています。

  6. 赤い左辺 より:

    我が社も送られてきた履歴書は資格欄ぐらいしか見てないです。

    私が転勤前にいた現場に昨年入社した50代半ばの正社員ですが、1人で仕事を任せることは出来ません。常に誰かを補助に付けておかなければならない程です。認知症の方が働いてるのと差異はあまりない無いと言えばイメージできると思います。

    その人が採用されたのは、ポリテクで電工2種や危険物などの資格を取ったのが決め手だったようです。

    その方は、生まれてから一つの仕事が数ヶ月以上続いたことが無かったらしく、少し話しただけでも普通でないことが分かります。我が社も採用にあたって志望動機はおろか、経歴や面接も全く考慮してないのです。

    裏を返せばbirumanさんが書かれてる通りです。
    資格を取れば人生が変わる可能性が高くなるということだと思います。

    • biruman より:

      >左辺さん
      私も大規模建物で勤務しているときに派遣の方ではありますが
      ほぼ認知症ではないかというレベルの方と仕事をしたことがあります。
      数分前に言ったことを覚えていない、理解できないレベルでした。
      巡回点検も通常は1時間で済むのに夕方まで掛かり改善しないので3ヶ月でクビになっていましたね。

      どうやって人事の面接をくぐり抜けたかというとやはり資格オンリーです。
      2種電工を持っていて日本語が分かれば良いんだという人事の考え方はたまにとんでもない人間を現場に送り込んできます。
      設備の仕事は契約人数合わせの面もありますがあまりにも酷いと仕事に支障をきたすので止めてほしいですね。