電験を実際に「これは取ったほうが良いな」と考えたのは社会に出てダメダメな電気管理技術者に会ったからです。
ですが本当はかなり前から存在だけは知っていました。
そして知ってすぐに
「これは俺のグータラ人生に必要な資格かもしれない。何よりある程度難しくて尊敬を集められる…。」
と考えました。
努力が嫌いなのに承認欲求だけは高いのも考えものですが…試験は難しくとも実際に収入も良いようですしビルメンの仕事の事はよく知りませんでしたが楽そうだなと考えたのです。
前の記事でも書きましたがその時は確か理論の参考書(完マスだったと思います)だけ買って静電気の所だけパラパラめくってろくに読みもせずに本棚のこやしになりました。
そして数年おきに、電験の受験熱が出て来ることになります。
参考書を買って買って買いまくった
勉強の方向性が確立出来ないとありがちなのですが、とにかく無駄に本を買います。そして読みません。
実際はどの科目でも一冊、どれでもいいから買って完読することが大事です。斜め読みでいいのです。ハッキリ言って1回読んだくらいで分かるようにはなりません。
2回、3回…4回目くらいでやっと「ここは確かこうだったな」となって同時に進めていた過去問もちょっとずつ意味が分かるようになるのです。
ですが勿論わたしはそうはせずに本を買いまくりました。オーム社の新電気のバックナンバーも数万円出して何年ぶんか揃えました。全く読みませんでした。
また、実教出版が工業高校向けの教科書を出しているのでそれも買いました。教科書はそんなに高くないのですが全部揃えるとなると結構な金額になります。
もちろん読みませんでした。教科書に準じた問題集は書き込み式でしたが放置しました。
完マス、電気書院の過去問集、新書などによくある『電気がよくわかる本』なども買いあさりました。全部やりませんでした。
その時は10万円くらいは本に使ったと思います。
そして全く努力をしないうちに「こんな量の努力をしないといけないのか。」と試験を受けるのが怖くなって…それらの大半を処分しました。
普通に出すとものすごい量になるので自分で車を運転して古紙回収業者に持ち込んで処分しました。
使ってもらえなかった参考書…本当に悪いことをしたと思って今でも胸が苦しくなります。
ボロボロになるまで使って、それで試験の結果が駄目だったら仕方がありません。
しかし私は勝手に相手の大きさを図りかねて一人相撲でワタワタしてしまい、参考書たちに気の毒なことをしてしまいました。
試験は申し込んで、受けませんでした。考えられる範囲の最低の結果でした。
当時の自分の不甲斐なさに今でも嫌な気分になります。
なんでもいいからとにかく道を作る それに準ずる
電験を受けようとして悩んでいる方、これは受からないかもと思っている方はたぶん学生時代には勉強が苦手だったのではないかと思います。
私もそうです。進路はいちおう理系を選びましたが一般的な理系の学習基準とはかけ離れた実力だったと思います。
そして、計画を立てるだけ立てて実行することが無かった…そんな学生時代ではありませんでしたか?
私は小学校の夏休みの宿題も「あとでやろう。」と思って結局提出せずに有耶無耶にしていました。
みなさんはどうでしたか?
もしみなさんが私と同じような性格である場合…ビルメンなので消極的な性格は似ているかもしれませんが…一人相撲の思考になる可能性があると思います。
勝手に将来を思い込み、勝手に合格を図って、勝手に落ち込んで、勝手に諦める…。
別にいいと思うのです。私もそうでしたし、私の場合は電験の合格はたまたまなので人の事をとやかく言うことは出来ません。
ただ、もしアドバイスめいたことをさせて頂くとすれば何かひとつ指針を決めてそれに打ち込んでやると合格できるのではないかな、ということです。
私の場合はそれは過去問でした。過去問だけは絶対に完全に出来るようになろう、と考えていました。
…というか、過去問以上のことは面倒でやろうと思わなかったのです…(笑)
特に最後に残った理論は完マスや工業高校の教科書をやるとものすごい時間になってしまい非常に無駄だと考えました。
過去問15年ぶんに自分の人生を掛けました。
そして…平成28年度の試験で開始直後に泡を吹きました。過去の傾向と違う問題が出てきたからです。
参考書+過去問でないと対応できないレベルでした。
今考えてもよく合格できたなと思いますが試験中酸欠になりながら全身全霊で問題を解いたので幸運にも合格できました。
私の場合はちょっと過去問に準じすぎて危うかったのですが基本は何でもよいのです。何か自分がこれに掛けよう、と考えた参考書なり問題集なりがあればそれに掛ければいいのです。
そして他の参考書にはあまり浮気しないようにしましょう。
とはいっても「あ、これのこの解答方法は分かりやすいかも。」ということはあります。
ただ、そういう場合も1冊、2冊くらいにしておきましょう。
本が増えれば増えるほど合格は遠のく…までは言いませんが、それよりなにより
「嫌になります」
心理的に「集めた本を全部覚えないといけない」と思ってしまうのですね。
そうではないと頭では分かっていても体が拒絶反応を起こしてしまいます。
長い距離を歩く時に最初からゴールを考えると上手くいかず、心が折れるのと似ています。
特に初学者は始めから長い距離を見てしまうと萎えてしまいます。55点取れば合格できるのに100点取らないと合格できないような気になってしまえば挫折はもう目の前です。
電験はもしかしたら何年も受け続けないといけない試験です。1発合格がする人は1~2%くらいです。大抵の人は数回受験します。
なのでなるだけ挫折しないように心理的負担を軽くする必要があります。
負担を軽くし、長く続けるためにも参考書は数冊、過去問のみの勉強に掛けていくのがよいのではないかな、…と参考書を捨てまくった私からの助言めいた駄弁でした。