ザ・ビルメン
いい人なんですけど
仕事がいい加減だったり圧倒的に出来ない人よりも困るのが普段は普通に仕事をこなすのに、いざという時に少しいい加減な先輩でした。
ある日テナントさんから電話が掛かってきて、
「機械にブレーカーを入れてもすぐ落ちるんだけど。」
と問い合わせがありました。
その会社には勤続20年を超える先輩が居ました。その人が電話を受けたんですけど
「テナントさんの中のものは範囲外です。」って言って電話を切りました。
確かにそうなんですけど…仕事は出来るけどぶっきらぼうっていうか…わたしも近くで聞いていて驚きました。
ビルメン側にあまりに負担になることだったら、事情を丁寧に説明して出来ない旨伝えるとかでいいと思うんですが長年入ってるテナントさんにバシッと言ってちょっと不安になりました。
案の定クレームに
その後矢のように電話が掛かってきて出ると勿論怒号でした。先輩はそれを察したのか居なくなってました。
最初の対応が、マズかったですね。
テナントの電気配線はテナントさんのものですがちょっと見るくらいの事をして「故障箇所が分かりませんので業者を呼ばれて下さい。」くらいで良かったと思うんです。
結局わたしと他の同僚とでメガー持ってそれらしく点検して機器の漏電を見つけて「この機械が漏電してます。」と言って帰ってきました。
原因が分からなくても別にいいんですよ。何か対応したら大体満足してくれるんです。一番悪いのは全く動かない事ですね。
同じ建物の敷地内にあるのだから電話でなくて直接行って「こうこうの理由で対応できません。」ならまだ相手もそんなには怒らなかったと思います。
ビルメンはサービス業
なんだかんだで機械を直せないとか、専門業者が来るまで不良のままの箇所があってそのまま数日過ごして貰うって事があるんですよ。
ビルメンは専門の事は分かりませんから、難しい機械が壊れたらお手上げです。部品がいるようなもので部品のストックが無かったりしても同じです。
ですから初動というか、ニコニコして「申し訳ありません。出来ません。」って言うのも処世術なんですね。
他のサービス業よりはまだ楽です。テナントさんはお金持ちの場合が多いので他のサービス業で相手にするような余裕のない人とは違ってスジを通せばそんなに怒りません。
先輩は昔気質のビルメンですから、サービス業になったビルメンの事は分からなかったんだと思います。機械の面倒だけ見ておけば良かった時代では無くなったんですね。
そんな訳でパーフェクトコミュ障はちょっと困るかもしれません
わたしもコミュ障ですが、仕事をやってるうちにテナントさんと話したり一般のお客さんをなだめたりしてるうちにちょっと慣れてきました。
別にホテルマンみたいにすごく丁寧にやる必要はないんです。普通に、軽い平伏でいいんです。
相手も人間ですから誠心誠意頭を下げてる人間には無茶はしません。
「ビルメンはコミュ障でも大丈夫」と言うのは今や職場の中、同僚相手だけの話ですね。
でも慣れます。やってるうちに。お客さん対応は。
ですから「機械の相手もするサービス業」だと思って就職するのがいいと思います。サービス業の比率が高いと思ってやってると失敗はしないんじゃないかな…。クレームが一番怖いですからね。
わたしも大した経験はないのにちょっと経験者っぽく語って申し訳ないです。
以上サービス業の比率が高くなったよ、っていうお話でした。