ボイラーの運転
特に都内では非常に少なくなってきたボイラーのあるビル。 わたしはボイラー運転業務を1年くらいやっていました。
ボイラーがあると業務がかなり増えます。ボイラーの蒸気を使った吸収式冷凍機などをがあると必要な熱量に合わせて起動、停止を頻繁に行わないといけない場合もあります。
季節に寄って、特に夏場は冷房を早めに働かせて居住区域を冷やさないといけないので仮眠時間を削って起き、ボイラーの運転を開始する場合もありました。
冬季は冬季で、蒸気を使った加湿を行っているとそれによる不具合が出たりもします。
室内に向かう配管の途中に、空調機の運転停止に応じて動く電磁式のバルブがあるのですが、そのバルブが経年劣化で働かない事があるのです。
空調機が停まったあとは信号でこのバルブが閉まるのですが、電磁弁が壊れていると停止信号を送ってもバルブは開いたままになります。
バルブが開いたままなので、空調機が停止しボイラーの運転が終わったあとで配管内に残った蒸気が居室内まで押し出されて、天井にある空調吹きだし部分で結露してしまいます。
この蒸気が結露して出来た水が、お客さんのオフィス内の机の上にあるパソコンに垂れたりすると損害賠償です。
高さのあるビルですとそれなりの蒸気圧力でないと上層階の加湿が出来ず、その高い圧力により配管やバルブも劣化しやすいようです。
このようなトラブルが多いので、蒸気を直接加湿に使うというようなビルは現在ではほぼ存在していません。
加湿機能がある場合は水をミスト状にして空調機の風に乗せて室内へ運ぶ、というものが多いです。ただこの場合は蒸気を使った加湿より室内の湿度が上がらないようです。
これからボイラーの需要はあまりありません
ビルメン4点セットの中に入っている2級ボイラー技士ですが、一部の蒸気が必要な施設である病院などを除いて建物内で蒸気を作ることがないので免許の需要も少なくなっています。
また蒸気を使う場合であっても、免許がいらないボイラーの使用がされていたりします。文字のままの意味で、ボイラー技士免許無しで誰でも運用できるボイラーです。
4点セットを揃えたいという方以外はもうあまり取得する意味が無いかもしれません。時代が変わると必要な免許も変わっていきます。
これからどんな免許が必要になるのか、需要があるのかを見極めて必要でない勉強をしないようにしていきたいですね。