何故宅建を取ろうと思ったのか
数年前、ちょうど離職していた時にハローワークで宅建試験のための職業訓練を募集していました。
以前から興味はありましたし、いざという時のリスクヘッジになるかなと考えて応募してみました。
当時の年齢が30代後半でしたので、今考えると無謀でした。30代後半の未経験者を雇用する企業は地方ではまずありません。
ただこれには例外があって、多分ですが東京なら40代初頭くらいまでは宅建があれば就職できます。
わたしは当時関東とは別の場所に居たので取得後一度も試しませんでしたが、東京のハローワークで未経験を条件に検索すると地方で考えられない数の求人が出てきます。
東京はあまりにも不動産業者が多いですし、営業している店舗1軒につき5人に1人は宅建免許保持者が必要なので免状を持っている人が欲しいからです。
ただし最初はビルメンと同じでブラックに近いグレーな所に就職しないといけないでしょう。経験を積めば他の所に行けば良いだけです。
宅建試験に向けて 訓練校での勉強
中学生の内容くらいの簡単な試験と面接を経て入校が決まりました。勉強する場所はハローワークから委託を受けている資格試験の予備校です。
様々な人が受講しに来ていました。驚いたのは60代の方も複数人居るのです。皆さん定年退職して雇用保険の受給期間延長の為に来ている方たちでした。
しかし一番真面目だったのは年配の方たちでした。久しぶりに勉強するのが楽しいので、と言われる方が多かったですね。
若い人は厳しい雇用情勢の中で就職を見つけるために必死にならなければいけない筈でしたが、若いというだけで就職出来る場合も多くあまり本気で取り組んでいる方はいませんでした。
授業ですが朝は9時から始まって夕方は16時までだったと思います。実際は講師の方の裁量で少し早めに終わることも多く、終わったあとで役所の用事を済ますことが出来たりもしました。
内容は講師の方が参考書の内容を読んでいって、その内容を小テストで確認するというオーソドックスなものでした。ひたすらそれの繰り返しです。
授業のスピードが遅くて、わたしは早く全体を見渡したかったので勝手にどんどん勉強しました。
民法は法律用語を覚えて、テキストで事例内容を確認し過去問を解いてあとはそれを繰り返しました。
一番ウェイトがある宅建業法も同じです。業法は繰り返しさえすれば民法よりも得点しやすいと思います。実際本試験では満点を取ることが出来ました。
範囲が広くて細かい上に得点が少ない税法関連はほぼ捨てていました。過去問で少し確認する程度でした。
最初の2ヶ月でテキストは20回、過去問は50回は回したと思います。他の予備校が行う一回1000円程度の模試も5回くらい受けていずれの回も50点満点で40点以下だった事はありませんでした。
ちなみに使っていたのは日建学院のネコのマークの過去問とテキストです。これが一番まとまっていて使いやすかったです。
お風呂に持ち込める用語集も買いましたがあまり使いませんでした。用語はテキストだけで十分です。
これらのテキストで勉強した結果、本試験では47点(94%)の得点が出来て無事合格することが出来ました。
また他の受講生は60代の方たちは全員合格、若い方たちは全滅でした。
宅建は営業畑の経験・適性がある方にお勧めします
宅建を取得したあとで数社不動産業者の面接を受けましたが全部落ちてしまいました。
田舎で需要がないのと合わせて、わたしがペーパードライバーに近い状態にあったので敬遠され、しかも長い間のビルメン履歴でコミュニケーション能力が低くなっていたのが原因…
と色々言い訳をしましたが結局適性がなかったのだと思います。
わたしは何でも理由をじっくり考えて行いたいタイプなので、それを面接で話したこともありました。物件相手に即断即決の世界でそれは嫌われます。
とはいえどこかで一度でも営業や販売の現場に立った方、車の運転は任せろと言われる方、聞き上手で即断即決が出来る方などには本当に天職だと思います。
宅建試験について まとめ
営業している店舗1軒あたり5人に1人が免許を持っていなければいけないので本当は需要がある筈なのですが、実際は名義貸しも横行しているようです。
ですから宅建免許があればすぐに就職が決まるというものではありません。地方で高齢ならまず決まりません。
就職できない資格なんて…と思われるかもしれませんが家を借りたりする際に民法などの法律の勉強は無駄にはなりませんし、何より資格を持っているという自信になります。
今ではまたビルメン業なので業務の役には立ちませんが、わたしの自信のひとつになっています。持っている事を言うと感心して貰えることもあります。
もちろん30代前半くらいの方で大都市圏に住んでいる方なら宅建を持っていればすぐ仕事は決まります。
自己啓発の為か就職の為、いずれにしても宅建試験は社会人の勉強の入り口になります。テキストと過去問2冊購入しても5000円くらいから始められますので是非挑戦してみてください。
コメント
私も30代の時、宅建に合格しました。
私は、資格マニアの為、趣味を兼ねて独学で受験し、3回目で運良く合格出来ました。
確かに、birumanさんが仰有る様に、『民法などの法律の勉強は無駄にはなりません』。
私自身、宅建受験時に勉強した相続法の知識が、遺産分割協議や相続放棄の手続きをする時、非常に役立ちました。
因みに、会社には、宅建合格者ということは秘密にしています。
それは、会社に宅建合格者だと知れると、マンション管理やビル管理のフロント業務をやらされる可能性が高いからです。
>資格マニアさん
コメントありがとうございます。
宅建自体はなかなか活かせるような資格ではないですが
法律の知識は全く無駄にはならず生きていくためには必須とも言えるものですよね。
法令の知識が無いと損をするばかりですし、相続の一般には課税されないレベルのものが多いので
亡くなられた方の土地がそのままになっていたりすることもあるようです。
宅建が活かせるとしたら独立するときくらいですが
開業には数百万掛かりますし営業スキルなんてものはないから宝くじにでも当たらないと無理そうです。