電話も受けられないのか…(落胆)
テナントさんから電話が掛かってきました。
ビルメン歴30年のTさんが電話を取って色々聞いてます。
電話が終わったあとで上司が
「Tさん、今の電話で相手の連絡先聞いて無くない?」
と言いました。
「アッ、そうですね」とTさん。
Tさんはビルメンによく居るアスペ気味の人でこだわりが強いタイプです。
そうか…電話対応も曖昧なのだな…と私。
まあここまでは別に良かったんですが後日問題が起きました。
「悪くありませんから」
そのテナントさんは防災センターと同じビルに入っている会社なので電話番号が分からなくても別にいいや、という感じで上司もTさんの失敗は流していました。
ところがある事情でその電話してきた方に聞かなければならない事が出来てしまい、仕方なく同じビルのそのテナントさんに恐る恐る尋ねると
「そんな人は居ませんけど…」となったのです。
別のビルにも同じ会社が沢山分散して入っているそうです。全国に支社もあります。
大きな会社だとよくある話です。てっきりビル内の内線で掛けてきたと思ってわたしたちも油断していました。
お客さんの個人名しか聞かず、部署名が分からないので何千人も社員が居るその会社では調べようがありません。
力関係的にテナントさんにそれ以上突っ込んで聞くことも出来ません。労力を割いて頂くことになってしまいます。
上司がTさんに
「ビルのオーナーさんに何とかしてもらおうか…Tさん謝らないとね(笑)」
と軽い感じで言いました。
するとTさんは
「わたしは悪くありませんから。」
と言い出しました。
ええー…。
「いや悪いとか悪くないじゃなくて、電話の…分かるでしょ?」
と言っても地蔵のように固まってうわ言のように
「わたしは悪くありませんから。」
と繰り返すばかりでした。
ははあ、これがTさんが何も出来ないのにビルメンを30年も続けてこられた理由なのだなあとわたしは感心しました。
上司はTさんより15歳くらい年下なのでそれ以上は強く言えないようでした。
結局上司がオーナーさんに謝罪し、取りなして貰ってテナントさんに全国の支社の人名を総当りで調べてもらい事なきを得ました。
ビルメン的世渡り
Tさんは作業の指示があっても全く違うことをして会社に損害を与えたり、オーナーさんに始末書を出したりしていました。
始末書はホイホイ書いて出しますが同僚に謝罪はしません。いざとなったらホッカムリです。
仕事のミスも数日したら完全に忘れてますし次の作業時に同じミスをやります。
カエルの顔になんとやらで何とも思っていないし、感じてないのです。
でも正社員なのでどうしようもないです。
こういう生き方もあるんですね。
周りはオタオタしてるのに本人はストレスフリーです。
「ストレスが」とか「上司が」とかあっても地蔵になったらいいのかもしれないです。
わたしも少しTさんを見習って固まる練習でもしてみるか…と思わせてくれたビルメン処世術を持つ先輩の話でした。